
監修者
木村太一 / 留学FACTORY代表
フィリピンの語学学校へ現地就職。その後、旅系YouTuberとして毎年10カ国を回る。現在は旅系YouTuberの活動と並行して、手数料ゼロの留学エージェント「留学FACTORY」を運営。フィリピン・セブ島を中心に留学をサポート。
留学を考えている社会人
『英語が全く話せないんだけど、いきなり留学して大丈夫かな。授業についていけないまま1ヶ月終わりそうで怖い…』
こういった疑問に答えます。
本記事は、英語がほぼゼロの状態から留学を考えている社会人・大学生に向けて書いています。
先に結論から。
英語が全く話せない初心者こそ、フィリピン留学が向いています。理由は「講師が優しいから」ではなく、授業の構造がそうなっているからです。
ここでいうフィリピン留学とは、セブ島などにある語学学校(英語を教える民間の学校。寮の併設が多いです)に、1週間から数ヶ月通う短期留学のことです。
授業は1対1、いわゆるマンツーマンが基本。1コマ50分をまるごと自分のために使えます。一方で欧米の語学学校はグループ授業が前提です。
つまり同じ「週20時間の授業」でも、自分が話している時間はまったくの別物になります。
なので今日の学びは1つだけ。
留学先を比べるときは「週◯時間の授業」ではなく「そのうち自分が話す時間はどれだけか」で比べるべし。
では見ていきます。
まず前提: 英語が話せないのは、個人の努力不足ではないです
最初に、罪悪感を1つ外しておきます。英語が話せないのは、あなたの努力不足ではありません。これは国単位の話だからです。
TOEIC L&Rの国・地域別の平均スコア(2025年)を見ると、日本は564点、フィリピンは722点。TOEIC L&Rは聞く力と読む力を測るテストです。ただし国によって受験者の層が違うので、この数字がそのまま国民全体の英語力の差というわけではありません。
英語能力の国際的な比較ランキングでも、日本は123の国・地域のうち96位です(2025年時点)。調査ごとに手法も対象も違うので、順位そのものより「上位には来ていない」という傾向のほうを見てください。
『いやいや、日本人だって中学高校で6年も英語やってるでしょ』と思いますよね。そのとおりで、原因はかけた時間の中身のほうかなと思います。
日本の英語学習は読む・聞くが中心で、自分の口から英語を出す時間がほとんど確保されてきませんでした。話す練習をしていないから話せない。それだけです。
そこで必要になるのが、話す時間を強制的に確保できる環境です。
フィリピン留学の授業はマンツーマン(1対1)が基本です
結論、セブ島をはじめとするフィリピンの語学学校は、講師と生徒が1対1で向き合うマンツーマン授業を中心に時間割を組んでいます。
1コマは50分。この50分のあいだ、教室にいるのは講師と自分だけです。
多くの学校では、1日に何コマ入れるかを自分で選べます。セブ島にある契約校の実例です。
マンツーマンのコマ数は自分で選べます
①3D ACADEMY(セブ)
日常英語を総合的に学ぶ標準コースのESLでは、マンツーマン授業を1日4〜8コマの範囲で選べます。グループ授業を持たないマンツーマン特化のコースもあり、その場合は選んだコマ数がまるごとマンツーマンです。
②EV ACADEMY(セブ)
Power Speakingというコースがあり、マンツーマン6コマとグループ2コマの型と、8コマすべてマンツーマンの型から選べます。
③CIA(セブ)
1日は10コマ構成で、マンツーマン授業・グループ授業・自習を組み合わせる形。追加料金でマンツーマンを増やせます。
コースの内容は変わることがあるので、申し込む前に最新の内容を確認してください。
どの学校も「マンツーマンの量を自分で調整できる」設計になっている点は共通です。
欧米留学とフィリピン留学の違い: 欧米はグループ授業が前提です
結論、欧米の語学学校は「グループで学ぶ」ことを前提に制度が作られています。
たとえばオーストラリアの語学コースは、週20時間以上の対面授業が制度上の最低基準。アメリカの学生ビザ(語学研修の場合)でも、週18時間以上の履修が必要です。
とはいえ制度が定めているのは時間数だけで、授業の形は各校に任されています。実態としては、欧米の語学学校の多くはグループ授業で時間割を組んでいます。1クラスの人数は学校によって幅がありますが、おおむね6〜18人程度が目安です。
念のため書いておくと、欧米の語学学校が劣っているという話ではないです。多国籍のクラスで意見を交わす経験は、フィリピンのマンツーマンでは得にくいもの。1ヶ月あたりの費用を国別に並べた話は、当ブログのアメリカ留学とフィリピン留学の費用の違いの記事にまとめてあります。
ただ、英語が全く話せない段階の人には、この構造がそのままハードルになります。
同じ「週20時間」でも、自分が話す時間はこれだけ変わります
結論、同じ週20時間の授業でも、自分の口が動く量はクラスの人数でそのまま割られます。
週20時間は1200分。ここでは授業時間がすべて生徒の発話に使われると仮定して、単純に計算してみます。
①マンツーマンの場合
教室にいる生徒は自分ひとり。1200分ぶんの発話の機会が、まるごと自分に向きます。
②グループ授業の場合
1200分を生徒の人数で頭割りすると、6人のクラスで1人200分、12人なら100分、18人なら約67分。クラスの人数が、そのまま差の倍率になるわけですね。
ここで補足しておきます。この計算は、前提を置いた机上の単純計算です。
まず、講師が生徒を一人ずつ当てていく授業を想定しています。実際の欧米の語学学校では、生徒同士をペアや小グループに分けて同時に話させる進め方が一般的なので、差はここまで極端にはなりません。頭割りした数字が「その人の学びの総量」でもありません。
それでも、この計算には意味があります。留学先の案内に並ぶのは、たいてい「週◯時間」という数字だからです。それを横に並べても、自分の口が動く量は比べられません。もう一段掘って、そのうち自分に向いている時間を見る。
つまり、比べるべき単位は授業時間ではなく、自分が話す時間です。
初心者がグループ授業でつまずく3つの理由
つまずきどころは、聞き取れないまま進む・間違えるのが怖くて黙る・質問のタイミングを逃す、の3つ。英語ゼロでグループ授業に入った方から、よく聞く話です。
①聞き取れないまま授業が進む
クラス全体のペースで進むので、1文聞き逃した時点で話題が分からなくなり、復帰できないまま50分が終わる。初日にこれをやると、翌日から教室に入るのが億劫になります。
②間違えるのが怖くて黙る
10人以上の前で片言の英語を口に出すのは、勇気が要ります。当てられたときだけ短く答えて、あとは聞き役。これでは話す時間はほぼゼロですよね。
③質問のタイミングを逃す
分からないところが出ても、全体の流れを止めて聞くのは気が引けます。そのまま次の話題に進み、疑問が積み上がる。
マンツーマンだと、この3つは起こりにくくなります。ペースは自分に合わせて進み、聞いているのは講師ひとり。質問のタイミングを計る必要もありません。
フィリピン人講師が初心者に向いている理由
結論、フィリピン人講師は「英語を第二言語として身につけた側」だからです。
フィリピンでは英語が公用語の1つで、学校教育でも理科や数学を英語で学びます。そのうえで彼らにとっても英語は母語ではなく、あとから身につけたもの。だから日本人がどこでつまずくのかを想像しやすいんですね。三単現のsが抜ける、前置詞で止まる、時制がぐちゃぐちゃになる。この「学習者あるある」を通ってきた側です。
『でも訛りがあるって聞くけど?』という声もありますよね。正直に書くと、講師によって差はあります。とはいえ英語ゼロの段階で必要なのは、完璧な発音を浴びることではなく自分の口を動かす回数を稼ぐこと。優先順位は話す量が先かなと思います。
正直に書きます: マンツーマン全振りが最適とは限りません
ここまで読むと「じゃあマンツーマン8コマ一択だな」と思うかもしれません。ここは少し慎重に見ます。
初めての留学でいきなり1日8コマにすると、後半のコマで集中力が切れがちです。マンツーマンは逃げ場がなく、50分ずっと自分が主役。それを1日8回、週5日はなかなかしんどい。6〜7コマから始めるのが現実的かなと思います。
グループ授業も初心者にはやや難易度が高めなので、最初の留学はマンツーマン中心で組むのが無難かなと思います。
フィリピン留学のデメリットも書いておきます。日本人の生徒が多い学校だと、放課後や食事の時間は日本語で過ごせてしまいます。授業の外まで英語漬けになる環境かというと、ここは欧米留学のほうに分があります。「授業で話す量」はフィリピン、「生活ごと英語に浸る」は欧米、という住み分けで考えるとよいかなと思います。
初心者の現実的な着地点は、次の3つ。
①授業の形はマンツーマン中心にする
②コマ数はいきなり最大にせず、6〜7コマあたりから始める
③慣れてきたら増やす、しんどければ減らす
つまり「マンツーマンを最大まで積む」ではなく「マンツーマンを、こなせる量だけ積む」。ここが現実的な選び方かなと思います。
費用の目安: フィリピン留学1ヶ月は約29万〜44万円
結論、フィリピン留学1ヶ月(4週間)にかかるお金は、航空券や食費、現地での出費まで含めておよそ29万〜44万円が目安です。
授業料と寮費だけなら、学校のグレード、部屋の人数、選ぶコマ数によっておよそ16.7万〜41.1万円の幅。29万〜44万円という目安は、複数人部屋で標準的なコマ数を選んだ場合を想定した数字です。1人部屋やマンツーマン最大コマのように上限に近い条件を選ぶと、総額はこの目安を上回ります。円換算の前提は1ペソ≒2.6円、1ドル≒158円で、2026年8月上旬時点のレートです。
金額の内訳を詰めたい方は、当ブログのフィリピン留学1ヶ月の費用の記事もどうぞ。
押さえておいてほしいのは1点だけ。マンツーマンのコマ数を増やすと授業料も上がるので、見積もりは「1ヶ月いくら」ではなく「どのコマ数で1ヶ月いくら」の形で取るのが正解です。
英語ゼロで行く人が、渡航前にやると差がつく3つ
最後に、出発前の話をします。やることは3つだけでOKです。
①中学レベルの文法を一周する
薄い参考書で構いません。be動詞、一般動詞、過去形、疑問文の作り方。この骨組みがあると、講師の直しが理解できます。
②自己紹介を30秒ぶん作っておく
名前、仕事か学部、来た理由、好きなこと。初日は必ず聞かれるので、ここで詰まらないだけで滑り出しが変わります。
③コマ数を欲張らない
最初から最大コマにせず、6〜7コマあたりから様子を見る。続く量に調整するほうが、結果的に話す時間は増えます。
3つとも今週末に着手できます。参考にどうぞ。
まとめ: フィリピン留学が初心者に向く理由は、話す時間の量です
今日1つだけ持ち帰るなら、これです。
留学先を比べるときは「週◯時間の授業」ではなく「そのうち自分が話す時間はどれだけか」で比べるべし。
フィリピン留学が英語初心者に向いているのは、精神論ではありません。1対1が基本で、1コマ50分がまるごと自分に向いていて、その量を自分で調整できるから。黙ってしまう時間が減りやすい構造になっています。
今日できるアクションも1つだけ。気になっている学校のコース表を開いて、1日のマンツーマンが何コマかをメモしてみてください。週何時間ではなく、マンツーマンが何コマか。この見方に切り替えるだけで、比較の解像度が上がります。
留学FACTORYについて
僕たちが運営する留学FACTORYは、エージェント手数料ゼロで留学をサポートしています。
対応しているのはフィリピンを含む12ヶ国。フィリピン、アメリカ、カナダ、オーストラリア、マルタ、イギリス、ニュージーランド、アイルランド、フィジー、インドネシア、南アフリカ、カンボジアです。サポート範囲はカウンセリングから留学中、帰国後まで。海外・留学経験が豊富なカウンセラーが対応します。
英語が全く話せない状態からの相談も問題ありません。今の英語レベルと行けそうな期間を教えてもらえれば、マンツーマンのコマ数まで含めた形で候補をお出しします。
まずは気軽に、記事下のLINE無料相談からどうぞ。
よくある質問
フィリピン留学は英語が全く話せなくても大丈夫ですか?
英語がゼロに近い状態から始める方は多いです。理由は授業の形にあります。フィリピンの語学学校はマンツーマン授業が基本で、1コマ50分を講師と1対1で使います。クラス全体のペースに合わせる必要がないので、聞き取れないまま進んでしまうことがありません。分からなければその場で止めて聞き直せます。グループ授業は初心者にはやや難易度が高めなので、最初の留学はマンツーマン中心のコースを選んでおけばOKです。
欧米の語学学校とフィリピン留学は、授業がどう違いますか?
いちばんの違いは、グループが前提か、1対1が前提かです。オーストラリアの語学コースは週20時間以上の対面授業が制度上の最低基準で、アメリカの学生ビザ(語学研修の場合)は週18時間以上の履修が必要になります。ただし制度が定めているのは時間数だけで、授業の形は各校に任されています。実態としては欧米はグループ授業が中心で、1クラスの人数は学校によって幅がありますが、おおむね6〜18人程度が目安です。フィリピンはこれがマンツーマン中心になります。授業時間の数字だけでなく、そのうち自分が話す時間で比べてみてください。
マンツーマン授業は1日何コマ取るのがいいですか?
初めての留学なら、いきなり最大コマ数にしないほうが無難です。1日8コマにすると後半のコマで集中力が切れがちなので、6〜7コマあたりから始めるのが現実的かなと思います。マンツーマンは50分ずっと自分が主役なので、想像以上に消耗します。慣れてきたら増やす、しんどければ減らす、で調整すればOKです。学校によっては追加料金でマンツーマンのコマを増やせるオプションもあります。
フィリピン人講師の英語で勉強になりますか?
なります。フィリピンでは英語が公用語の1つで、学校教育でも理科や数学といった科目を英語で学ぶ仕組みになっています。加えて、講師にとっても英語は第二言語として身につけたものなので、日本人がどこでつまずくのかを想像しやすいという強みがあります。訛りの有無は講師によって差がありますが、英語がゼロに近い段階でまず必要なのは、完璧な発音を浴びることよりも自分の口を動かす回数を稼ぐことかなと思います。
英語が話せないまま留学する前に、何を準備すればいいですか?
3つで十分です。1つ目は中学レベルの文法を薄い参考書で一周すること。be動詞、一般動詞、過去形、疑問文の作り方が入っていれば、講師の直しが理解できるようになります。2つ目は自己紹介を英語で30秒ぶん作って口に出せるようにしておくこと。初日は必ず聞かれるので、ここで詰まらないだけで滑り出しが変わります。3つ目はコマ数を欲張らないこと。続く量に調整するほうが、結果的に話す時間は増えます。
無料LINE相談のご案内
留学FACTORYは、カウンセリングから留学中・帰国後まで手数料ゼロでサポートする留学エージェントです。「まだ行くか決めていない」段階のご相談も歓迎です。