ホーム » 留学の窓口 » フィリピン地方都市留学のデメリット5つ|差は立て直す手数です

フィリピン地方都市留学のデメリット5つ|差は立て直す手数です

監修者 木村太一(留学FACTORY代表)

監修者

木村太一 / 留学FACTORY代表

フィリピンの語学学校へ現地就職。その後、旅系YouTuberとして毎年10カ国を回る。現在は旅系YouTuberの活動と並行して、手数料ゼロの留学エージェント「留学FACTORY」を運営。フィリピン・セブ島を中心に留学をサポート。

悩む留学を考えている社会人のイラスト留学を考えている社会人

『地方都市のほうが日本人が少なくて良さそう。でも病院とか買い物とか、やっぱり不便なんじゃないかな…』

こういった疑問に答えます。

本記事では、フィリピン留学の行き先としてイロイロ・バコロド・バギオ・クラークといったセブ以外の街を候補に入れつつ、「地方都市=不便」というイメージが引っかかって決めきれない、という方に向けて書いています。

この記事でいう「地方都市」は、フィリピンでマニラ・セブ以外に語学学校がある街のこと。具体的にはイロイロ(パナイ島)、バコロド(ネグロス島)、バギオ(ルソン島北部の高原都市)、クラーク(ルソン島中部)の4都市を指します。

先に結論から。

地方都市留学のデメリットは、不便さではありません。 モールはあります。配車アプリのGrabも使えます。病院もあります。平常時の生活は、想像しているほど困りません。

差が出るのは別のところです。何かが崩れたときに、立て直すための手数。予定が壊れたあと、元に戻すまでに自分が何回動かなければいけないか、という話ですね。

そのうえで、今日の学びを1つだけ先に置いておきます。

不便さを心配するのは的が外れています。地方都市で本当に問うべきなのは、「トラブルが起きたときに、自分で動けるか」のほうです。

僕はイロイロ(パナイ島)に約2年住んでいました。旅行ではなく、生活の拠点として2年です。バコロドにも10回ほど足を運んでいます。そのうえで書きます。

では見ていきます。

まず誤解を1つ潰します: セブ以外の地方都市でも、平常時の生活はほとんど困りません

結論、フィリピン留学で地方都市を選んでも「日用品が買えない」「移動手段が無い」「病院が無い」という状況には、まずなりません。

買い物はモールで片づきます。イロイロにはSM City IloiloやFestive Walkがありますし、バコロドには大型モールがSM City Bacolod、Robinsons Place Bacolod、Ayala Malls Capitol Centralと3系列あります。日用品、食料品、飲食、両替。このあたりは、どれかのモールの中で完結します。

病院もあります。イロイロには、フィリピンの区分で最上位にあたる三次(Level 3)の病院があります。バコロドにも総合病院があります。ただしこの区分は病院の体制を分けるものなので、区分が上であることと、実際に受けられる対応の中身はイコールではありません。そしてもう1つ、病院があることと、日本語対応やキャッシュレス精算まで揃っていることは別です。この差はデメリット②で書きます。

『じゃあGrabみたいなアプリは?』と思いますよね。これも使えます。マニラ・セブ・ダバオだけでなく、イロイロ・バコロド・バギオ・クラークもGrabの提供エリアに入っています。イロイロでGrabCarのサービスが始まったのは2023年です。ただし提供エリアであることは「すぐ捕まる」を意味しません。台数と待ち時間は街と時間帯で差があります。

選べる車種のカテゴリも、実際にカバーされる範囲も同じです。「呼べば来る」ではなく「呼んでから待つ時間が違う」と考えておくのが実際に近いですね。

これが効くのは、たとえばこういう場面です。

・雨が降り出した直後。どの街でも需要が跳ねますが、走っている台数が少ないほど待ち時間は伸びます
・夜、モールから寮へ戻るとき。台数が薄い時間帯は、アプリが車を見つけられないことがあります
・寮や学校の住所が市街地の外にあるとき。カバーされる範囲は住所単位で変わります

対策としては、地方都市では「Grabがあるから移動手段は考えなくていい」と思わないことです。ジプニー(決まったルートを走る乗り合いの小型バス)やタクシー、学校の送迎など、Grab以外の手を1つは知っておく。それだけで、待ち時間に立ち往生する場面が減ります。

この「地方都市だから不便、は半分外れる」という話は、当ブログのイロイロ留学の記事でも書きました。今日はその残り半分を書きます。

つまり、生活が回ることは前提でいい。問題は、その生活が崩れたときです。崩れたときに何回動かなければいけないか。それを1つずつ数えていきます。

デメリット①: 帰国時は、遅延の起点が1つ増えます

結論、地方都市の最初のデメリットは、日本との往復に乗り継ぎか陸路が1回ぶん挟まること。そしてそれが痛いのは、行きより帰りです。

日本からフィリピンへの定期直行便があるのは、実質マニラ・セブ・クラークの3都市です。クラークへの直行便は成田発のみで、関西発・中部発はありません。なお路線は季節や航空会社の方針で増減するので、航空券を取る段階で自分の最寄り空港から何が飛んでいるかは必ず確認してください。

イロイロとバコロドは、マニラかセブでの乗り継ぎが前提。バギオは陸路で、半日仕事になります。

逆に言うと、地方都市の候補のなかでクラークだけは、この①がほぼ当てはまりません。成田発の直行便があるからですね。ただし直行便は成田発のみなので、関西や中部が最寄りの人は結局どこかで乗り継ぎか国内移動が入ります。

バギオの空路は、一度あって止まりました

バギオには現在、定期の旅客便がありません。ロアカン空港は2022年12月に商業旅客便向けに再開してセブ線が飛んでいましたが、2024年7月に運休となり、以降は定期の旅客便が無い状態です。

つまり「昔から空路が無い街」ではなく「あったけれど止まった街」なんですね。街の詳しい行き方は、当ブログのバギオ留学の記事にまとめてあるので、バギオが候補にある人は参考にどうぞ。

往路は遅れても着けばいい。復路はそうではありません

往路は、遅れても最悪その日のうちに学校へ着けば済みます。着く時間が夜になるだけですね。

復路は違います。国内線の遅延や欠航が、そのまま日本行きの国際線への乗り継ぎに直撃します。乗り継げなければ、翌日の予定に間に合いません。台風の時期には、フィリピン全体で数百便規模の欠航が起きることも実際にあります。地方都市発だから欠航しやすいのではなく、欠航したときに乗り継ぎが1回多いぶん立て直しに時間がかかる、という話ですね。

しかも、マニラで乗り継ぐ場合に注意点があります。ターミナルをまたぐ乗り継ぎだと、保安検査を通ったあとのエリア(保安区域)の中で建物がつながっていないため、いったん外に出て陸路でターミナル間を移動し、もう一度チェックインと保安検査を受け直すことになります。移動は連絡シャトルバスか、Grabやタクシーです。シャトルは本数が限られ、渋滞にも当たります。

順番に並べると、こうなります。

①国内線を降りて、預けた荷物を受け取る
②建物の外に出て、シャトルバスかGrabで別のターミナルへ移動する
③国際線のカウンターで、もう一度チェックインして荷物を預ける
④もう一度、保安検査を受ける

同じ空港の中での乗り継ぎなのに、実質的には一度到着して、もう一度出発する形になるわけですね。乗り継ぎ時間の中に、この移動と2回ぶんの手続きが丸ごと入ってきます。

『ターミナルが同じなら関係ない?』と思いますよね。同じなら手数は減ります。ただ、どのターミナルを使うかは航空会社と便によって決まるので、自分では選べません。だから復路を組むときは「またぐ可能性がある前提」で余裕を見ておくのが安全です。

もう1つ、意外と見落とされるのが航空券の取り方です。

国内線と国際線を通しで1枚で取るか、別々に取るか。ここで、遅れたときの扱いがそもそも変わります。別々に取っていると、遅延で乗り継げなかったときの組み直しは自分の仕事になります。航空券を買い直すのも、宿を取り直すのも自分です。別々に取るなら、乗り継ぎは4時間から5時間以上を目安に空けておくと安全です。

通しの1枚なら、遅延で乗り継げなかったときの扱いを航空会社側で持ってもらえる形になります。地方都市発の復路では、この差はかなり大きい。値段だけで比べずに、崩れたときにどちらが手数が少ないかで選んでください。

なので、地方都市を選ぶなら復路の設計は先に決めておいてください。

①通しの航空券にできるか
②できないなら、前日までに乗り継ぎ地へ入る余裕を作れるか
③帰国の翌日に、動かせない予定を入れない

『いやいや、そこまでするの?』と思うかもしれません。ただ、この1回ぶんの重さは滞在が短いほど相対的に大きくなります。1週間・2週間の費用構造については当ブログのセブ島留学1週間・2週間の費用の記事に書きましたが、期間に関係なく同額かかる固定費と同じで、滞在が短いほど1日あたりの重さが増えるからです。

お金の側も同じ構造です。学費や寮費が抑えられても、国内線の往復ぶんは滞在期間に関係なくかかります。金額は路線と時期で動くのでここでは置きますが、見るべきは「学費が安いか」ではなく「往復まで含めて安いか」です。

デメリット②: 医療は「病院があるか」より「保険と言語がつながっているか」

結論、地方都市の医療で問われるのは、病院の有無ではありません。保険と言語が現地の病院につながっているかどうかです。

まず前提から。フィリピンの病院分類でいう三次(Level 3)の病院は、内科・小児科・産婦人科・外科の研修プログラムを持つ教育研修病院で、専門的な検査設備や透析、血液銀行などを備える、という定義があります。

そして、地方都市にも三次医療の病院はあります。バギオには、北ルソン一帯の最終的な紹介先になる公立の三次病院があります。イロイロにも三次医療の病院があります。

だから「地方都市には病院が無い」は正しくありません。正しくは「病院はあるが、日本語の窓口とキャッシュレス精算がマニラ・セブに寄っている」です。

ただし2つ、傾向として押さえておくべきことがあります。

①専門医と専門研修が首都圏に偏っているという傾向があること。②海外旅行保険のキャッシュレス提携病院と日本語の窓口が、マニラ・セブに寄っていること。実務的に効くのは②のほうです。

キャッシュレス治療の提携病院一覧を、申し込む前に見てください

地方都市を選ぶなら、申し込む前に確認すべきものが1つあります。自分が入る海外旅行保険の、キャッシュレス提携病院の一覧です。キャッシュレス治療とは、その場で保険会社が病院へ直接精算してくれるので、自分でお金を立て替えなくて済む仕組みのことですね。

ここで注意です。フィリピンについては、このキャッシュレス提携病院の一覧が、マニラとセブの括りで作られていることが多いんですね。

ただし、一覧に載っていれば自動的に使える、というものではありません。受診する前に保険会社の緊急アシスタンスデスクへ連絡して、支払いの保証を病院に出してもらうのが前提です。 連絡せずに行くと、提携病院でも立て替えになることがあります。

一覧は保険会社ごとに中身が違うので、自分が入る保険で、行き先の都市が載っているかを見るのがいちばん早いです。

キャッシュレスが使えない場合はこうなります。いったん自分で立て替えて払い、診断書と領収書をもらって持ち帰り、帰国後に保険会社へ請求する。この流れですね。

体調を崩して弱っている状態で、英語で症状を伝え、電話をかけ、支払いをして、書類を揃える。これが「立て直す手数」かなと思います。金額の問題というより、動く回数の問題ですよね。

言語の逃げ道も、マニラとセブに寄っています

地方都市の病院では、日本語ではなく英語で症状を伝えることになります。日本語で受付できる支援デスクは、マニラ・セブの私立病院に置かれているためです。授業で英語を話すのと、体調が悪い状態で症状を説明するのは、まったく別の作業ですね。痛みの種類、いつから、どのくらい。この語彙は日常会話では出てきません。

とはいえ、これは事前に潰せる部分です。

・自分の持病、常用している薬の名前、アレルギーを英語でメモにして、スマホと紙の2か所に置いておく
・保険証券の番号と、保険会社の緊急アシスタンスデスクの番号を同じメモに入れておく
・学校に、体調を崩したときの付き添いや病院の案内があるかを申し込みの段階で聞いておく

3つ目が地味に効きます。学校が病院まで連れて行ってくれるなら、言語の問題は実質的にかなり小さくなりますよね。地方都市を選ぶなら、これは必ず確認してほしい項目かなと思います。

そして、この記事でいちばん実務的なアクションがこれです。申し込む前に、自分が入る保険のキャッシュレス提携病院の一覧に、行き先の都市が載っているかを見ておいてください。見るだけなら5分です。

そのうえで、さっきメモに入れた緊急アシスタンスデスクの番号を使って、病院へ行く前にまず電話すると決めておいてください。一覧に載っていても、この連絡が抜けると立て替えになることがあります。逆に載っていないなら、立て替えて帰国後に請求する前提で現金やカードの余力を用意しておく。それだけで手数は減ります。

デメリット③: 病院より、日本の公館のほうが遠いです

結論、ここが地方都市留学のいちばんはっきりした弱点です。

日本の在外公館、つまり海外に置かれた日本政府の窓口は、フィリピンではマニラの大使館・セブの総領事館・ダバオの総領事館の3つだけです。バギオ・クラーク・イロイロ・バコロドには、日本の窓口がありません。

つまり構図はこうです。病院は街にある。でも公館は街に無い。地方都市では、病院よりも日本の公館のほうが遠いんですね。

なお電話やメールでの領事相談は、住んでいる街に関係なく使えます。窓口が無いことと、相談先が無いことは別ですね。

これが効いてくる代表例が、パスポートの紛失です。

パスポートを失くすと、本人が窓口まで行くことになります

結論、代理では手続きできません。押さえておくべき点が4つあります。

①パスポートを紛失した場合、代理申請・代理受領はできません。本人が窓口に行く必要があります
②「帰国のための渡航書」(パスポートの代わりに、日本へ帰るためだけに1回限りで出される書類)は、即日で受け取れることもありますが、公館と状況によって変わります
③窓口が開いているのは平日の日中だけです。土日は閉まっています
④申請には警察に出す紛失届や写真など、そろえるものがあります。何が必要かは公館によっても状況によっても変わるので、動く前に必ず電話かメールで確認してから移動してください。

この4つを、地方都市の条件に当てはめてみてください。

バギオからならマニラまで陸路。イロイロやバコロドからなら国内線を1本、自分で手配する。そのうえで、平日の窓口時間に本人が並ぶ。書類がそろっていなければ、その場では受け取れません。

手数を数えると、こうなります。

①国内線か陸路で、窓口のある都市へ自分で移動する
②平日の窓口時間に合わせて、本人が並ぶ
③即日で出なければ、その都市で宿泊して待つ

セブにいれば、移動と宿泊が丸ごと消えます。これが「立て直す手数」の話です。

もちろん、起きる確率は高くありません。日常生活で公館に行く場面はまずないです。ただ「起きたときのリカバリーに、自分の移動が必要になる」という構造だけは頭に入れておいてください。

裏を返せば、これは事前に対策できるデメリットでもあります。

・パスポートの顔写真のページをコピーして、財布とは別の場所に置く。画像データもクラウドに入れておく
・パスポートと現金とカードを、同じポーチにまとめて持ち歩かない
・外出時は原則としてパスポートを寮に置き、必要なときだけ持ち出す

そのくらいの話です。手数の多い街に行くなら、手数が発生する確率を下げておけばいい、というだけですね。

デメリット④: 学校は、合わなかったときの逃げ道が細い

結論、地方都市の学校の弱点は数ではありません。合わなかったときに、転校したり併願したりする余地が細いことです。

セブがフィリピンの語学学校の集積地であるという傾向は、はっきりあります。集積しているということは、条件を並べ替えられるということです。

学校選びで人が動かす条件は、だいたい次の4つです。

①学校の型(生活ルールの厳しさ。スパルタか、そうでないか)
②1日のコマ数
③部屋のタイプ(1人部屋か複数人部屋か)
④料金

候補が集まっている街では、この4つを全部指定しても選べます。都市によっては大学付属型、つまり大学のキャンパス内で学ぶ語学コースが軸になるので、そこでは組み合わせのどこかを譲ることになります。

さらに効くのが、行ってからの話です。授業のスタイルが合わない、寮の生活が合わない、講師との相性が悪い。こうしたときに、近くに別の候補があるかどうかで打てる手が変わります。

学校が集まっている街なら、次のような手が現実的です。

・期間の途中で別の学校へ移る
・前半と後半で学校を分けて申し込む(型の違う学校を2つ経験する組み方)
・同じ街の別の学校の見学に行ってから決める

候補が集まっていない街では、この3つがどれも取りにくくなります。残るのは「学校の中で担当講師を変えてもらう」くらいで、街ごと変えるとなると移動が発生します。

だから地方都市を選ぶなら、行く前に1つ聞いておいてください。「合わなかったときに、講師やコースの変更はどこまで対応してもらえますか」です。ここが柔軟な学校なら、逃げ道の細さはかなり埋められます。

僕たちの契約校である3D ACADEMY・EV ACADEMY・CIAは、いずれもセブにあります。だからこの記事で地方都市の学校を具体的な校名で挙げることはしません。学校の型そのものの選び方は、当ブログのセブ島留学の学校の選び方の記事にまとめてあります。

日本語で相談できる相手が、学校の中にいるかも見てください

日本人が少ない環境は、英語を使わざるを得ない状況を作れるという意味では狙って取りにいく価値があります。ただ裏側もあって、何かあったときに日本語で相談できる相手が近くにいない、ということでもあります。

街の日本人の数はどうにもなりませんが、学校の中はどうにかなります。申し込む前に、日本人スタッフがいるか、いないなら日本語で連絡が取れる手段があるかを聞いておいてください。ここが埋まっていれば、日本語の後ろ盾は街の規模とほぼ関係なくなります。

まとめると、地方都市の学校選びは「合わなかったときにどこまで変更できるか」を申し込み前に確認しておくかどうかで、リスクの大きさが変わります。

デメリット⑤: 週末の選択肢が少なく、長期だと飽きます

これは手数の話ではありません。ただ長期で来る人には確実に効くので、分けて書きます。

結論、地方都市は週末の行き先の数が少ないので、半年以上の長期になると飽きる可能性があります。

バコロドについては、はっきりそう思います。10回ほど足を運んでいて、治安がいい街だと言い切れる場所です。ただし治安がいいことと、何をしても大丈夫なことは別で、貴重品を見せない・夜の一人歩きを避ける・移動はGrabで呼ぶ、この3つはどんなに落ち着いた街でも変わらない基本なので、油断は禁物ですね。むしろ治安がいい街ほど気が緩みます。街そのものについては、当ブログのバコロド留学の記事に詳しく書いています。

そのバコロドでも、娯楽の選択肢がセブほど多いわけではないので、長く住むと週末の過ごし方が一巡してしまうんですよね。

セブの週末が移動時間で階層に分かれるという話は、当ブログのセブ島留学の週末の過ごし方の記事に書きました。あの厚みが地方都市には無いと考えてください。

1ヶ月なら、これはほぼ問題になりません。むしろ気が散らないぶん有利に働きます。効いてくるのは3ヶ月を超えたあたりからです。

対策は2つあります。

①週末に街の外へ出る動き方を、最初から組み込んでおく。イロイロとバコロドの間は高速船でおよそ1時間(乗船時間の目安。港までの移動と待ち時間は別)なので、対岸に渡るという選択肢が現実的にあります
②都市を分ける。3ヶ月ほど地方都市で英語環境に浸かってから、別の都市へ移る組み方ですね

それでも地方都市留学を選ぶ人の条件

結論、判断の軸は「トラブルが起きたときに、自分で動けるか」の一点です。

地方都市が向いている人

・日本人一色にならない環境で、英語を使わざるを得ない状況を作りたい人
・期間が1ヶ月以上あり、往復の乗り継ぎを許容できる人
・学校の条件に、自分で優先順位をつけられる人
・保険や航空券の条件を、面倒でも自分で確認できる人
・海外が初めてではなく、想定外への対応をある程度イメージできる人

地方都市が向いていない人

・1週間から2週間の短期の人。乗り継ぎ1回ぶんが、滞在の割に重すぎます(直行便のあるクラークは例外です)
・学校の候補を広く並べて、条件を全部満たす1校を選びたい人
・日本語で相談できる窓口が近くにある安心を、条件から外せない人
・涼しさを期待している人。低地の街は普通に暑いです。留学先として名前が挙がる街の中で、標高で涼しくなるのはバギオくらいです
・「行けば何とかなる」という前提で留学を考えている人

最後の一行が、この記事でいちばん言いたいことです。選択肢が多い街では、迷っているうちに周りが決めてくれることがあります。地方都市にはそれがありません。

どう決めるか: 期間・海外経験・目的の3つで分岐します

結論、次の3つを順に当てはめれば、地方都市が候補に残るかどうかはその場で決まります。

①期間はどれくらいか
2週間以下なら、直行便のある都市に絞ってしまってOKです。地方都市の中ではクラークがこれに当たります。乗り継ぎを往復ぶん払うには滞在が短すぎますからね。1ヶ月以上なら現実的な候補になり、3ヶ月を超えるならデメリット⑤の対策を先に組んでください。

②海外は初めてか
初めてなら、窓口も病院も学校の選択肢も揃っている街から入るほうが安全です。ちなみにマニラについては、僕個人の体感として世界中を旅した中でもトップレベルで危険を感じた場面がありました。地区を正しく選べばマニラでも落ち着いた生活はできる、という前提つきの話です。それでも、初めての海外がマニラというのはおすすめしません。

③目的は何か
「日本語に逃げない環境」が目的なら、選択肢の少なさはそのまま利点に反転します。逆に「学校の条件を細かく詰めたい」なら、候補の多い街のほうが確実です。

この3つのうち2つ以上が地方都市の側に振れているなら、候補に入れる価値があります。1つだけならやめておくほうが無難かなと思います。

なお都市ごとの違いを直行便と気候の2軸で横並びにした整理は、当ブログのフィリピン留学の都市の選び方の記事にまとめてあります。地方都市が候補に残った人は、そちらで街を絞ってから戻ってきてください。

まとめ: 問われているのは不便さへの耐性ではなく、動けるかどうかです

今日1つだけ持ち帰るなら、これです。

地方都市留学のデメリットは、不便さではありません。何かが崩れたときに立て直す手数の多さです。 だから問うべきなのは「不便さに耐えられるか」ではなく「トラブルが起きたときに、自分で動けるか」ですね。

おさらいします。

平常時の生活は困りません。モールがあり、Grabが使え、病院もあります。イロイロにはモールと三次(Level 3)の病院、バコロドには大型モール3系列と総合病院があります。Grabはイロイロ・バコロド・バギオ・クラークも提供エリアですが、台数と待ち時間には差があります。

そのうえで、デメリットは5つです。

①帰国時は遅延の起点が1つ増える。マニラでターミナルをまたぐ乗り継ぎはいったん外に出て手続きをやり直すことになり、通しの航空券か別々かで遅延時の扱いも変わる。なお地方都市の中でも、成田発の直行便があるクラークだけはこれがほぼ当てはまりません
②医療は病院の有無より、キャッシュレス提携病院の一覧に行き先が載っているかで差が出る。一覧はマニラ・セブ中心に組まれやすく、載っていても受診前に緊急アシスタンスデスクへ連絡しないと立て替えになることがある
③日本の在外公館はマニラの大使館・セブの総領事館・ダバオの総領事館の3つだけ。パスポート紛失時は本人が窓口へ行く必要があり、窓口が開くのは平日の日中だけ。必要書類は公館と状況で変わるので、動く前に必ず確認する
④学校は合わなかったときの転校・併願の余地が細い
⑤週末の選択肢が少なく、半年以上だと飽きる可能性がある

判断は期間・海外経験・目的の3つで分岐します。2つ以上が地方都市の側に振れていれば候補です。

なお現地の交通や施設、路線の状況は変わることがあるので、申し込む前に最新の内容を必ず確認してください。

今日できるアクションは2つ。優先度が高いのは①です。

①自分が入る保険のキャッシュレス提携病院の一覧に、行き先の都市が載っているかを見る。あわせて緊急アシスタンスデスクの番号をメモに入れ、病院へ行く前にまず電話すると決めておく
②復路を、通しの航空券にできるか。できないなら前日までに乗り継ぎ地へ入れるかを決める

この2つが済んでいれば、①と②はかなり軽くなります。④と⑤は学校選びの段階で詰める話なので、そこは相談してください。逆にどちらも面倒だと感じるなら、セブ島留学から入るほうが順番として素直かなと思います。

留学FACTORYについて

僕たちが運営する留学FACTORYは、エージェント手数料ゼロで留学をサポートしています。

対応しているのはフィリピンを含む12ヶ国。フィリピン、アメリカ、カナダ、オーストラリア、マルタ、イギリス、ニュージーランド、アイルランド、フィジー、インドネシア、南アフリカ、カンボジアです。サポート範囲はカウンセリングから留学中、帰国後まで。海外・留学経験が豊富なカウンセラーが対応します。

「日本人が少ない環境で学びたいけれど、地方都市は不安」という段階のご相談も歓迎です。行けそうな期間と、学校の条件で外せないものを教えてもらえれば、街の考え方から一緒に整理します。ご紹介できる学校の範囲もその場でお伝えするので、扱いの有無で時間を無駄にすることはありません。

まずは気軽に、記事下のLINE無料相談からどうぞ。

よくある質問

フィリピンの地方都市留学は生活が不便ですか?

平常時の生活は、思っているほど不便ではありません。留学先として名前が挙がる規模の街なら、買い物・移動・医療の3つは揃っています。

イロイロにはモール(SM City Iloilo、Festive Walk)と、フィリピンの区分で最上位にあたる三次(Level 3)の病院があります。バコロドには大型モールが3系列(SM City Bacolod、Robinsons Place Bacolod、Ayala Malls Capitol Central)と総合病院があります。日用品・食料品・飲食・両替は、どれかのモールの中で完結します。ただしこの区分は病院の体制を分けるものなので、区分が上であることと実際に受けられる対応の中身はイコールではありません。

配車アプリのGrabも、マニラ・セブ・ダバオだけでなくイロイロ・バコロド・バギオ・クラークが提供エリアに入っています。イロイロでGrabCarのサービスが始まったのは2023年です。ただし選べる車種のカテゴリ、走っている台数、実際にカバーされる範囲は地域と時間帯で差があるので、「使えるかどうか」ではなく「待ち時間と台数が違う」と考えておくのが実際に近いですね。つまり地方都市のデメリットは不便さではなく、何かが崩れたときに立て直す手数のほうに出ます。

フィリピンの地方都市留学のデメリットは何ですか?

イロイロ・バコロド・バギオ・クラークなどフィリピンの地方都市に留学する場合、デメリットは大きく5つです。①帰国時に遅延の起点が1つ増える、②医療は保険と言語がつながっているかで差が出る、③日本の在外公館が街に無い、④学校の逃げ道が細い、⑤週末の選択肢が少ない。①から④に共通しているのは、どれも平常時ではなく「崩れたときの話」だということですね。⑤だけは平常時の話で、長期の人に効きます。

①は、日本からの定期直行便が実質マニラ・セブ・クラークの3都市に限られるためです。国内線の遅延や欠航が国際線の乗り継ぎに直撃するので、痛いのは往路より復路です。台風の時期にはフィリピン全体で数百便規模の欠航が起きることもありますが、地方都市発だから欠航しやすいのではなく、欠航したときに乗り継ぎが1回多いぶん立て直しに時間がかかるという話ですね。マニラでターミナルをまたぐ乗り継ぎだと、保安検査を通ったあとのエリア(保安区域)の中で建物がつながっていないため、いったん外に出て陸路で移動し、もう一度チェックインと保安検査を受け直すことになる点も見落としやすいです。なお地方都市の中でも、成田発の直行便があるクラークだけは①がほぼ当てはまりません。ただし直行便は成田発のみなので、関西や中部が最寄りの人は結局どこかで乗り継ぎか国内移動が入ります。

国内線と国際線を通しで1枚で取るか、別々に取るかでも扱いが変わります。別々だと、乗り継げなかったときの組み直しは自分の仕事です。別々に取るなら、乗り継ぎは4時間から5時間以上を目安に空けておくと安全です。

地方都市でパスポートを紛失したらどうなりますか?

日本の在外公館(大使館・総領事館)がある都市まで、自分で移動することになります。フィリピンにある日本の在外公館は、マニラの大使館・セブの総領事館・ダバオの総領事館の3つだけです。バギオ・クラーク・イロイロ・バコロドにはありません。

押さえておく点は4つです。まず、パスポートを紛失した場合は代理申請・代理受領ができず、本人が窓口に行く必要があります。次に「帰国のための渡航書」(パスポートの代わりに、日本へ帰るためだけに1回限りで出される書類)は、即日で受け取れることもありますが、公館と状況によって変わります。3つ目に、窓口が開いているのは平日の日中だけで、土日は閉まっています。そして4つ目に、申請には警察に出す紛失届や写真など、そろえるものがあります。何が必要かは公館によっても状況によっても変わるので、動く前に必ず電話かメールで確認してから移動してください。

これを地方都市の条件に当てはめると、バギオからならマニラまで陸路、イロイロやバコロドからなら国内線を自分で手配して、平日の窓口時間に本人が並ぶ形になります。セブにいれば、この移動と宿泊が丸ごと消えます。つまり地方都市では、病院より日本の公館のほうが遠いということですね。なお電話やメールでの領事相談は住んでいる街に関係なく使えるので、窓口が無いことと相談先が無いことは別です。起きる確率が高い話ではありませんが、パスポートのコピーを分けて持つ、貴重品をまとめて持ち歩かないといった対策はしておいてください。

地方都市の病院で、日本の海外旅行保険のキャッシュレス治療は使えますか?

使えるかどうかは保険会社ごとの提携病院一覧で決まり、フィリピンの一覧はマニラとセブ中心に組まれやすいので、地方都市では使えない前提で準備しておくのが安全です。そのうえで、申し込む前に自分が入る保険の提携病院一覧に行き先の都市が載っているかを確認してください。

キャッシュレス治療とは、その場で保険会社が病院へ直接精算してくれる仕組みのことです。ここで重要なのが、一覧に載っていれば自動的に使えるわけではないという点です。受診する前に保険会社の緊急アシスタンスデスクへ連絡して、支払いの保証を病院に出してもらうのが前提になります。連絡せずに行くと、提携病院でも立て替えになることがあります。渡航前に、この番号を保険証券の番号と一緒にメモへ入れて、病院へ行く前にまず電話すると決めておいてください。

キャッシュレスが使えない場合は、いったん自分で立て替えて払い、診断書と領収書をもらって持ち帰り、帰国後に保険会社へ請求する流れになります。なお病院そのものは地方都市にもあります。フィリピンの病院分類でいう三次(Level 3)は、内科・小児科・産婦人科・外科の研修プログラムを持つ教育研修病院で、専門的な検査設備や透析、血液銀行などを備えるという定義です。つまり病院の体制を分ける区分であって、受けられる医療の水準とイコールではありません。バギオには北ルソン一帯の最終的な紹介先になる公立の三次病院がありますが、専門医と専門研修は首都圏に偏っているという傾向はあります。

フィリピンの地方都市留学とセブ島留学、どちらを選ぶべきですか?

期間・海外経験・目的の3つで決めてください。この3つのうち2つ以上が地方都市の側に振れているなら候補に入れる価値があり、1つだけならやめておくほうが無難です。

期間は、2週間以下なら直行便のある都市に絞ってOKです。乗り継ぎを往復ぶん払うには滞在が短すぎます。地方都市の中では、成田発の直行便があるクラークがこれに当たります。1ヶ月以上なら他の地方都市も現実的な候補になり、3ヶ月を超えるなら週末の飽きへの対策を先に組んでおいてください。娯楽の選択肢はセブほど多くないので、半年以上だと飽きる可能性があります。

海外が初めてなら、窓口も病院も学校の選択肢も揃っている街から入るほうが安全です。学校についても、地方都市は合わなかったときに転校したり併願したりする余地が細くなります。都市によっては大学付属型が軸になるので、学校の型・コマ数・部屋タイプ・料金の4条件のどこかを譲ることになりやすいです。目的が「日本語に逃げない環境」なら選択肢の少なさはそのまま利点に反転しますし、「学校の条件を細かく詰めたい」なら候補の多い街のほうが確実ですね。

無料LINE相談のご案内

留学FACTORYは、カウンセリングから留学中・帰国後まで手数料ゼロでサポートする留学エージェントです。「まだ行くか決めていない」段階のご相談も歓迎です。

30秒で簡単予約!LINEで無料相談

LINEで相談してみる(無料)

費用の概算見積もりだけのご相談もOKです